右向け右ができないのは、選ばれし滅亡防止装置だから

学校の変な校則に従いたくない。

社会のルールに違和感を覚える。

ほぼ強制参加の飲み会。着たい服も会社にそぐわないからと着られない。
生まれ持った髪の色がそんなに偉いか。色を指定することの意味を教えて。
働く場所はどこでもいいじゃん。休まないことが偉いのはなぜなの。

これをしろと指図され、歯を食いしばって取り敢えずやる日々。でもなんかこれおかしくない?

右向け右。左向け左。

足並みを揃えることが、なぜ嫌なのかわからない。

「みんなと同じ」は確かに安心するのかもしれない。
友達がいること。働いていること。結婚していること。みんなと同じで自分は外れ値じゃないと。
同じような恰好をして、同じようなものを見る。

ただ、「みんなと同じ」は時に強制されていると感じる人もいるはず。

安心と強制。全く異なる2つの性質。

人によって考え方感じ方は違えども、ここまで異なるものなのか。

安心すると感じる人の方が生きやすいだろう。息もしやすく、心地よい。

強制されていると感じる人は生きづらいだろう。このルールだらけの世界で、ルールそのものを疑い、従わなければならないのだから。

それは天から与えられた性質なのかもしれない。

過去、私たちは足並みをそろえ続けた結果、名前も知らず言葉も通じない人を殺すことを余儀なくされ、持ちたくもない武器を持ち、命を差し出すことになった。

そんな歴史の上に生きていることを考えると、時に集団をまとめるルールは過剰すぎると自分の命を奪いかねないものになる。

今あるルールに違和感を持つこと。それは一部の選ばれた人だけができること。

通常時は生きづらいかもしれない。ずっと苦しいかもしれない。

でも、もし社会が暴走しだしたら、止められるのはあなたしかいない。

おかしいことに対しておかしいと思える。

人類が暴走して自滅しないような滅亡防止システム。
遺伝子レベルで組み込まれた、人類を長く生きさせるための装置。

右を向けと強制されても、自ら信じる道徳に反していたら前を向き続けられる強い意志がある。

人類単位での滅亡防止装置が備わっている選ばれし人々の話。